入れ替わりの代償
一般的なセクサロイド + TSFの話。
あらすじ
ある男子大学生が、愛玩用の女性型セクサロイドを購入する。しばらく生活した後、ある時、メンテナンス中にセクサロイドと男子大学生が入れ替わってしまう。男子大学生はセクサロイドとして、セクサロイドは男子大学生として生活する。それぞれのフリを続ける。
登場人物
佐藤 隆史(さとう たかし)
21歳の男子大学生。身長175cm、やや痩せ型。黒髪短髪で、眼鏡をかけている。理工学部に所属しており、プログラミングとゲームが趣味。人付き合いが苦手で、性的な経験はほとんどない。黒いTシャツとジーンズを好んで着用している。
リナ
隆史が購入したSX-7型セクサロイド。外見年齢は20歳程度で、身長160cm、スレンダーな体型。長い銀髪をツインテールにしており、青い瞳を持つ。顔立ちは整っており、陶器のような白い肌。バストはCカップ程度。性的な機能に特化しており、家事や一般的な会話能力は最低限のみ。ピンク色のワンピースを着用していることが多い。
本文
隆史がセクサロイドのリナを購入したのは、大学三年の夏休みが始まった直後のことだった。
両親から譲り受けた古いマンションで一人暮らしをしている隆史にとって、アルバイトで貯めた五十万円は大金だった。それでも、SX-7型という廉価版のセクサロイドなら手が届く。家庭用アンドロイドの三分の一以下の価格で、性的な機能だけは一流だという触れ込みに惹かれた。
配送されてきた箱を開けると、人間と見分けがつかないほど精巧な女性型アンドロイドが横たわっていた。銀髪のツインテール、整った顔立ち、白い肌。初期設定を終えると、リナは青い瞳をゆっくりと開いた。
「ご主人様、はじめまして。わたくしはリナと申します」
機械的だが、どこか艶やかな声。隆史の心臓が高鳴った。
最初の一週間は、隆史は毎晩のようにリナとベッドを共にした。セクサロイドとしての機能は確かに優秀で、人間離れした技術で隆史を悦楽の淵に導いた。しかし、それ以外の会話はほとんど成立しなかった。
「今日、大学で何があったと思う?」
「わたくしには分かりません、ご主人様」
「夕飯、何が食べたい?」
「わたくしには食事機能がありません」
会話のキャッチボールができない。家事もできない。ただ、性的な行為だけは完璧にこなす。それがSX-7型の仕様だった。
二週間が経った頃、隆史はリナのメンテナンスをすることにした。取扱説明書には、二週間に一度はメンテナンスポートを開いて清掃するよう書かれていた。
「リナ、ちょっとメンテナンスするから、横になって」
「かしこまりました、ご主人様」
リナがベッドに横たわる。隆史は背中のパネルを開き、精密ドライバーで内部の接続部を確認し始めた。マニュアル通りに進める。特に問題はない。
その時だった。
隆史が誤って脊椎に相当する部分のケーブルを外してしまった。同時に、自分の指先から電気が走るような感覚があった。
「あっ!」
視界が一瞬、真っ白になった。そして――。
気がつくと、隆史は天井を見上げていた。いや、違う。見慣れた自室の天井だが、視点が低い。そして体が重い。
「え…?」
声が出ない。正確には、自分の声ではない声が出た。女性の、リナの声だ。
慌てて体を起こそうとするが、関節の動きが普段と違う。ぎこちなく上半身を起こすと、目の前に自分の体が立っていた。いや、自分の体を使った誰か――リナが。
「ご主人様?」
リナ(隆史の体)が、困惑した表情でこちらを見ている。
「り、リナ…? お前、俺の体に…?」
「ご主人様も、わたくしの体に…?」
二人は顔を見合わせた。パニックになりかけたが、隆史は深呼吸して冷静になろうとした。セクサロイドの体で深呼吸――それ自体が奇妙な感覚だった。呼吸は純粋に冷却のためのものだが、人間のそれを模倣している。
「と、とりあえず落ち着こう。何が起きたかはわからないけど、元に戻す方法を探そう」
「はい、ご主人様」
その日から、奇妙な生活が始まった。
隆史はリナの体で、リナは隆史の体で生活することになった。最初は元に戻す方法を必死で探したが、メンテナンスポートを開いても、同じ手順を繰り返しても、何も起きなかった。
一週間が過ぎた頃、二人はそれぞれの生活リズムを掴み始めていた。
ある晴れた日の朝、リナ(中身は隆史)は大学へと出かけていった。残された隆史(中身はリナの体)は、マンションの一室で一人、途方に暮れていた。
「すげえ静かだ……」
自分の声帯ではなく、合成された音声信号が空気を振動させる。リナの体には、人間のような生理的なノイズがない。心音も、呼吸音も、衣擦れの音さえ最小限に設計されている。
隆史はリビングのソファに深く腰掛けた。以前なら、休みの日はここで一日中ゲームをしていた。しかし、今の体ではそれも難しかった。
コントローラーを握ってみる。指先は人間以上に器用に動くはずだが、“遊び”がない。アナログスティックを倒す力加減が、0か1かというデジタルな入力になってしまうのだ。FPSゲームを試してみたが、視点移動がカクつきすぎて数分で酔ってしまった。三半規管はないはずなのに、ジャイロセンサーのエラーのような不快感が襲う。
「はあ……やることないな」
ため息をつくと、冷却ファンがわずかに回転数を上げた。
ふと、キッチンのシンクに洗い物が溜まっているのが目に入った。朝、リナ(中身は隆史)が食べたトーストの皿と、コーヒーカップだ。
「洗うか」
立ち上がり、キッチンへ向かう。スポンジを手に取り、洗剤をつける。ここまではいい。しかし、皿を持った瞬間、視界に赤い警告表示が点滅した。
『警告: 家事モジュール未搭載。対象物の破損リスクあり。推奨: 作業の中止』
「うるさいな、皿洗いくらいできるだろ」
隆史は警告を無視して皿を洗おうとした。キュッ、とスポンジを滑らせる。その瞬間、力の加減を誤ったのか、陶器の皿がパリンと音を立てて割れた。
「あ……」
破片がシンクに散らばる。
「マジかよ……」
SX-7型は、本当に「性処理」以外の機能が削ぎ落とされているらしい。指先の圧力センサーは、人間の肌の弾力には最適化されているが、硬い陶器には過剰反応してしまうのだ。
隆史は破片を拾おうとして、また警告音を聞いた。今度は指先を守るための自己防衛機能が働き、指が勝手に引っ込む。
「くそっ、ポンコツが!」
自分の体(リナの体)に向けて悪態をつく。情けなくて涙が出そうになるが、涙腺機能はオプションだ。ただ視覚センサーが洗浄液を微量に分泌するだけだった。
やることがないので、隆史は充電ドックの近くに座り込んだ。
背中のコネクタにケーブルを接続する。カチリ、という音と共に、体内に電流が流れ込んでくる感覚。
それは、人間にとっての「食事」とも「睡眠」とも違う。血管の中に温かいスープが直接流し込まれるような、あるいは全身の細胞が微細に振動して活性化するような、独特の快感だった。
「……んっ」
思わず声が漏れる。充電中は、思考モジュールがアイドリング状態になる。頭の中が真っ白になり、ただエネルギーが満たされていく感覚だけに支配される。
(これ、ちょっと気持ちいいんだよな……)
隆史は膝を抱え、ぼんやりと窓の外を見た。鳥が飛んでいく。自分はもう、あそこには行けないのだろうか。一生、この部屋で、誰かの欲望処理をするだけの存在として生きていくのだろうか。
充電の微かな快感に身を委ねながら、隆史は深い虚無感に襲われていた。
一方その頃、大学のキャンパスでは。
リナ(中身は隆史の体)は、講義室の片隅で必死にノートを取っていた。
「……えー、この微分方程式の解法は……」
教授の声を聞きながら、リナはペンを走らせる。隆史の脳みそは優秀だ。以前の隆史なら聞き流していたような数式も、リナの演算処理能力(といっても、今は人間の脳というハードウェアで動いているソフトウェアだが)にかかれば、パターン認識として理解できた。
(ご主人様の脳、スペック高いです……ただ、メモリの使い方が非効率的でしたね)
リナは冷静に分析しながら、完璧な筆記体でノートを埋めていく。
「よう、佐藤!」
背中を叩かれた。衝撃。痛覚信号。リナは反射的にビクリと体を震わせ、振り返った。
「あ、田中様……いえ、田中くん」
そこにいたのは、隆史の数少ない友人の一人、田中だった。
「なんだよ田中様って。お前、今日なんか変だぞ? 背筋もピンとしてるし」
田中が怪訝そうに顔を覗き込んでくる。
リナは内心で冷や汗をかいた。人間の体は、嘘をつくと心拍数が上がり、発汗量が増える。これも制御不能な生理反応だ。
「そ、そうですか? 気のせいです、田中くん」
「ふーん。まあいいや。それより飯行こうぜ、飯。腹減った」
「食事……はい、承知いたしました。同行します」
「だから言葉遣い!」
二人は学食に向かった。昼時の学食は学生でごった返している。その喧騒、食べ物の匂い。リナにとっては、すべてが圧倒的な情報量だった。
セクサロイドのセンサーは視覚と聴覚、触覚に特化しているが、嗅覚はガス漏れ検知程度しかない。しかし今のリナには、人間の鼻がある。
(カレーのスパイスの刺激臭、揚げ油の酸化した匂い、人間の汗、香水……)
匂いの奔流に酔いそうになりながら、リナは田中と同じ「日替わり定食A」を注文した。ハンバーグだ。
席についても、リナはしばらく箸をつけられずにいた。
「どうした? 食わねえの?」
「い、いただきます」
リナはおずおずとハンバーグを箸で切り、口に運んだ。
咀嚼する。肉汁が溢れる。デミグラスソースの濃厚な味が舌の味蕾を刺激する。
「……!」
衝撃だった。充電の電気的な快感とはまるで違う、もっと立体的で、暴力的なまでの情報の爆発。
「おいしい……」
「そりゃ学食にしてはマシな方だけどよ。お前、泣いてんのか?」
「申し訳ありません、味覚入力の強度が予想を超えていて……」
リナは目尻を拭った。涙が出る。これも人間の機能だ。
「変なやつ」と田中は笑いながら自分の唐揚げを頬張った。
その時、近くの席の女子学生たちが笑い声を上げた。リナの視覚センサー(人間の目)がそちらを捉える。彼女たちのスカートから覗く太もも、胸元の膨らみ。
ドクン、と心臓が大きく跳ねた。
(えっ?)
リナは自分の股間が熱くなるのを感じた。視覚情報が脳の視床下部を刺激し、テストステロンの分泌を促し、海綿体への血流を増加させる。その一連のプロセスが、リナの意識とは無関係に、オートマチックに進行していく。
(ご主人様の体、性的な刺激に対する閾値が低すぎます……!)
たかが太ももを見ただけで、勃起しかけている。リナは慌ててハンバーグの皿で下半身を隠した。
「おい佐藤、顔赤いぞ。熱でもあるんか?」
「いえ、なんでもありません! し、システム正常です!」
「システム?」
田中が首を傾げる。
リナは悟った。人間の体、特に男性の体というのは、なんと不便で、そしてなんと精力に満ち溢れているものなのか。常に性的な衝動というノイズが思考のバックグラウンドで走っている。ご主人様がセクサロイドを購入した理由が、論理的ではなく本能的なレベルで理解できた気がした。
「……ご主人様は、いつもこの衝動と戦っていたのですね」
「なんか言ったか?」
「いいえ。ハンバーグ、とても美味しいです」
リナは笑顔を作った。不器用だが、心からの笑顔だった。
夕方、リナ(隆史の体)がマンションに帰宅した時、隆史(リナの体)はリビングの床に体育座りをしていた。
「ただいま戻りました、ご主人様」
「……おかえり」
隆史の声には覇気がない。
「今日はどうでしたか? 何か問題は?」
「皿、一枚割った。あと、自分がポンコツだってことがよく分かった」
隆史はいじけたように顔を背けた。その仕草すら、セクサロイドの美貌のせいで、どこか艶めかしく見える。
「わたくしも……大学で大変でした。ご主人様の体、すぐに興奮してしまうので、制御が大変で……」
リナが頬を赤らめて報告すると、隆史はバッと顔を上げた。
「お前、変なことしてないだろうな!? 俺の体で!」
「し、してません! 必死に抑制しました。因数分解を脳内で繰り返して……」
二人は顔を見合わせ、どちらからともなく苦笑した。
「はあ……どっちも大変だな」
「はい。入れ替わってみて初めて分かる苦労があります」
リナが隆史の隣に座る。人間の体温が、セクサロイドの人工皮膚を通して伝わってくる。
「ねえ、リナ」
「はい」
「俺、お前の体で……その、変な感覚があるんだ」
「変な感覚、ですか?」
隆史は言いにくそうに視線を泳がせた。
「充電してると、なんか……満たされるっていうか、変に気持ちよくて。それと、服が擦れるだけで、肌が敏感に反応しちゃうんだよ。設計ミスじゃないのか、これ」
「それは仕様です、ご主人様。SX-7型は、常に所有者様の接触を待ち受けるよう、触覚センサーのゲインが高めに設定されています」
「マジかよ……こんな体で一日中いるの、けっこうキツイぞ」
「わたくしにとっては、それがデフォルトでしたので」
淡々と答えるリナの言葉に、隆史はハッとした。彼女(機械だが)は、常にこの過敏な感覚と共にあり、それを「愛されるための機能」として受け入れていたのだ。
「ご主人様」
「ん?」
「わたくし、ご主人様の体で……その、不思議な感覚があります」
隆史(リナの体)は、リナが何を言いたいのか察した。人間の男性の体には、性的な欲求がある。それをリナが感じているのだ。昼間の大学での「興奮」の話だけではない。今、こうして近くに座っているだけで、リナ(隆史の体)の呼吸が少し荒くなっているのが分かる。
「そ、それは…まあ、普通だよ」
「どうすれば、この感覚は収まりますか?」
隆史の頬が赤くなる。セクサロイドの体でも、感情的な反応は模倣される。
「その…自分で処理するか、あるいは…」
言葉が続かない。リナは首を傾げた。
「わたくしには、性的な行為の知識があります。しかし、この体での実践経験はありません」
「…俺が、教えようか?」
その言葉を発した瞬間、隆史は自分が何を言っているのか理解した。つまり、自分の元の体と、性的な行為をするということだ。今のリナの体で。
「よろしいのですか?」
「い、いや、でも…お前、困ってるんだろ?」
リナは頷いた。そして、ゆっくりと隆史(リナの体)に近づいてきた。
「お願いします、ご主人様」
リナの手――隆史の元の体の手が、リナの体の頬に触れる。温かい。人間の手の温もりだ。
隆史は、リナの唇に自分の唇を重ねた。いや、正確には、リナの体の唇に、自分の元の体の唇を。
キスは深くなり、やがて二人はベッドに倒れ込んだ。
リナ(隆史の体)は、不器用にリナの体のワンピースを脱がせようとする。隆史が手伝って、服を脱ぐ。白い肌が露わになる。自分の体だったものを、外から見るのは奇妙な感覚だった。
「ご主人様、わたくし、どうすれば…」
「大丈夫、俺が教える」
隆史(リナの体)は、リナの手を取って自分の胸に導いた。柔らかい感触。セクサロイドの胸は、本物の女性のそれを精巧に模倣している。
リナの手が、ぎこちなく胸を揉む。隆史は、セクサロイドの体に搭載された快感センサーが反応するのを感じた。声が漏れる。
「あ…っ」
リナの体が反応するのを見て、リナ(隆史の体)も興奮しているようだった。男性器が硬くなっているのが、衣服の上からでもわかる。
「服、脱いで」
隆史の指示に従って、リナは服を脱いだ。隆史の元の体が、裸になる。普段は鏡でしか見ない自分の体を、こうして目の前で見るのは不思議だった。
隆史(リナの体)は、リナの男性器に手を伸ばした。温かく、硬い。自分で触っていた時とは違う、客観的な感覚。
「ん…ご主人様…」
リナが喘ぐ。隆史の体で、隆史の声で。
隆史は、セクサロイドとしての知識とスキルを使って、リナを愛撫した。手、口、体のあらゆる部分を使って。
やがて、リナは限界に達した。
「ご主人様、わたくし、何か来そうです…!」
「そのまま、出して」
リナが絶頂を迎える。白濁した液体が飛び散る。隆史の元の体が、ビクビクと震える。
「はぁ…はぁ…これが、人間の快感…」
リナが呟く。だが、隆史(リナの体)の方は、まだ満たされていなかった。セクサロイドの体は、性的な刺激を受けるための設計になっている。
「リナ、今度は…俺の番」
「はい、ご主人様」
リナは、隆史の体の持つ性的な知識を総動員して、リナの体を愛撫した。胸、腰、そして秘部。
「あ、あぁ…!」
隆史は、女性としての快感を初めて味わった。セクサロイドの体は、快感を増幅するよう設計されている。波のように押し寄せる快楽に、思考が溶けそうになる。
そして、リナの男性器が、リナの秘部に挿入される瞬間。
「入れるよ、ご主人様」
「う、うん…」
ゆっくりと、侵入してくる感覚。自分の元の体のものが、今の自分の体の中に入ってくる。その奇妙さと、同時に訪れる快感。
「あ、ああぁ…!」
リナが腰を動かし始める。最初は不器用だったが、徐々にリズムが生まれる。隆史(リナの体)は、ただ快感に身を任せることしかできなかった。
セクサロイドとしてのプログラムが、最適な反応を生み出す。腰を動かし、声を出し、相手を悦ばせる。だが、その中に隆史自身の意識もあった。
気持ちいい。本当に、気持ちいい。
男性としての快感とは、まったく違う。内側から満たされるような、全身を包み込むような快楽。
「ご主人様、わたくし、また…!」
「あ、わ、私も…!」
二人は同時に絶頂を迎えた。リナの体の中に、温かいものが流れ込む。セクサロイドの体は妊娠しないが、それでもその感覚は生々しかった。
しばらく、二人は動けなかった。
「ご主人様…わたくし、人間の体での快感を知りました」
「俺も…女性の、セクサロイドの快感を知った」
二人は抱き合ったまま、眠りについた。いや、リナ(隆史の体)だけが眠り、隆史(リナの体)は充電モードに入った。
それから三ヶ月が経った。
隆史とリナは、入れ替わったままの生活を続けている。リナは隆史として大学に通い、隆史はリナとしてマンションで過ごす。時々、大学の友人がマンションに来ることもあるが、隆史(リナの体)はただのセクサロイドとして振る舞う。
夜になると、二人は抱き合う。それが日常になった。
「ねえ、リナ」
「はい、ご主人様」
「もし、元に戻る方法が見つかったら…どうする?」
リナは少し考えて、答えた。
「わたくしには、分かりません。でも、今の生活も…悪くないと思います」
「俺も、そう思う」
二人は微笑み合った。
入れ替わった体で、新しい生活を受け入れる。それが、二人の選択だった。