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無垢なる楽園の教室

2,966 文字 約 6 分

あらすじ

ある学校に特殊な認識阻害がかけられ、そこに通う生徒は性的な知識と性別の知識、羞恥心が消されている。生徒らは男女が何か、性器が何かを知らない。トイレや更衣室は男女分かれているが、それが何を意味するのか誰も分からない。保健の教科書や、その他性の関する知識の書いてある本にも認識阻害がかけられ、その生徒たちは読んでも理解できない。


登場人物の容姿

相田 亮太(あいだ りょうた)
身長170cmほどの平均的な体格の男子生徒。黒髪の短髪で、少し寝癖がついていることが多い。制服のシャツは第一ボタンまで留めているが、ズボンのベルトが緩く、シャツの裾がはみ出していることもしばしば。性別や性的な概念についての知識が欠落しているため、自身の身体の変化(勃起など)に対しても「体調の波」程度にしか認識していない。

一ノ瀬 美緒(いちのせ みお)
亮太のクラスメイトで、隣の席の女子生徒。肩まで伸びた栗色の髪を無造作に下ろしている。顔立ちは整っており、大きな瞳が特徴的だが、その瞳には性的な羞恥心の色は一切ない。
制服のブレザーの下に着ているブラウスは、胸元のボタンが二つほど外れており、下着のレースが見え隠れしていても気にする素振りを見せない。スカートは短めで、座り方によっては下着が丸見えになるが、彼女にとってそれはただの布切れでしかない。豊満な胸と柔らかな太ももを持つが、自身の性的魅力には無自覚である。

本文

 チャイムの音が校舎に響き渡り、昼休みの終わりを告げる。県立北高校、一見すればどこにでもある普通の高校だが、ここには奇妙な「常識」が蔓延していた。いや、正確には「あるべき常識が欠落している」と言うべきか。
 この学校全体を覆う特殊な認識阻害の結界は、生徒たちから「性」に関するあらゆる知識と羞恥心を奪い去っていたのだ。

 5時間目は自習だった。監督の教師が急用で不在のため、教室は緩やかな空気に包まれている。
 相田亮太は、机に教科書を広げながらも、視線は隣の席に向けられていた。そこには、一ノ瀬美緒が机に突っ伏して眠っている姿がある。
「……おい、一ノ瀬。起きろよ」
 亮太が声をかけるが、美緒は小さく唸るだけで起きる気配がない。彼女は机に上半身を預けるようにして伸びをしており、その拍子に机の端に押し付けられた豊かな胸の肉が、ブラウスの生地を悲鳴を上げさせるほどに形を変えていた。
 ボタンが弾け飛びそうなほど張り詰めた胸元からは、薄ピンク色のブラジャーのカップ上部が露わになっている。しかし、亮太はそれを「服の一部」としてしか認識していない。彼にとって、それはただの布であり、その下にある膨らみが「乳房」と呼ばれる性的な部位であるという知識が存在しないからだ。

「んぅ……あ、亮太くん。おはよぉ」
 ようやく顔を上げた美緒は、ふあぁ、と大きなあくびをする。その無防備な動作に合わせて、再び胸が大きく揺れる。
「もう5時間目だぞ。日直、黒板消してないじゃないか」
「えー、めんどくさいなぁ」
 美緒はダルそうに立ち上がると、教壇の方へと歩きだした。
 その背中、いや、臀部のあまりの無防備さに、教室の他の生徒たちも誰も反応しない。めくれあがったスカートの裾からは、純白のパンティが完全に露出していた。歩くたびに揺れる柔らかそうな白い布に包まれたふくらみ。太ももの内側の柔らかな肉感。
 だが、クラスメイトの男子生徒たちは、誰一人としてそれを凝視したり、顔を赤らめたりすることはなかった。彼らの脳内には「パンツが見える=恥ずかしい/興奮する」という図式が存在しないのだ。

 美緒が黒板を消し終わり、席に戻ってくる。
「あー、暑い」
 彼女はそう言うと、パタパタと手で顔を仰ぎながら、ブレザーを脱ぎ捨てた。さらに、すでに開いていたブラウスのボタンを、さらに一つ外す。
 胸の谷間が露わになり、ブラジャーの前中心にあるリボンが完全に露出する。汗ばんだ肌が光り、鎖骨のくぼみに汗が溜まっているのが見える。
「……なんか、ここら辺がムズムズするのよねぇ」
 美緒は独り言のように呟くと、無造作にブラウスの隙間から手を入れ、直接自分の胸を掻きはじめた。
 指先がレース越しに乳首を擦る。
「んっ……」
 微かな吐息が漏れる。彼女自身、なぜ胸を触るとこんな声が出るのか、なぜ身体が熱くなるのか理解していない。ただ「痒いから掻く」、その延長線上にある行為だった。
 ブラジャーの中に手を滑り込ませ、直接乳房の肉を揉みしだくように掻く美緒。その動きに合わせて、ブラウスの上からでも分かるほどに胸が波打つ。
「おい、あんまり強くかくと赤くなるぞ」
 亮太が心配そうに声をかける。
「だってぇ、なんか変なんだもん。亮太くんも触ってみてよ、ここ」
 美緒は平然とそう言うと、亮太の手を掴み、自分の胸へと誘導した。
「……? ただ熱いだけじゃないか?」
 亮太は何の躊躇いもなく、美緒の胸を鷲掴みにした。
 手のひらに伝わる圧倒的な弾力、重み、そして体温。親指が偶然にも硬く尖った乳首を捉える。
「ひゃうっ!?」
 美緒がビクリと背中を震わせた。
「ほら、やっぱりなんか変な感じするでしょ?」
「うーん、確かにちょっと硬いな。虫刺されか?」
 亮太は真剣な表情で、さらに指に力を込めて乳首をコリコリと捏ね回す。
「んぁ……っ、あ……そこ、なんか……じーんってする……」
 美緒の顔が紅潮し、瞳がとろんと潤み始める。しかし、彼女はそれが快感であることすら正しく認識できていない。「変な感じ」「くすぐったい」といった言葉でしか表現できないのだ。

 その時、亮太の下半身にも変化が訪れていた。
 股間のズボンが大きくテントを張るように盛り上がっている。ペニスが硬く勃起し、先端から我慢汁が滲み出していた。
「……俺もなんか、ここが窮屈になってきたな」
 亮太は困ったように眉を寄せながら、自身の股間をさする。
「また? 亮太くん、よくそこ大きくなるよね」
「ああ、なんか血が溜まってる感じで痛いんだよな」
 彼はズボンの上から、硬直した自身の肉棒を握りしめた。性欲という概念がないため、彼はこの生理現象を単なる「うっ血」や「腫れ」の一種だと思っている。
「マッサージすれば治るんじゃない?」
 美緒が提案する。
「そうだな。ちょっと頼んでいいか?」
「いいよー」
 美緒は自分の胸から手を離し、机の下に潜り込むようにして亮太の股間に手を伸ばした。

 ズボンのジッパーが下ろされる音。
 下着の隙間から、赤黒く充血したモノが弾け飛ぶように露出する。
「うわ、すっごいカチカチ。血管浮いてるよ」
 美緒は興味深そうにそれを観察し、指先で亀頭をツンツンとつついた。
「くっ……! そこ、敏感なんだよな……」
「へぇー。不思議な形だよね。私にはついてないし」
 美緒は不思議そうに首を傾げながら、両手で亮太のペニスを包み込んだ。柔らかく温かい少女の手の感触に、亮太の腰がビクンと跳ねる。
「あったか……」
「そう? んー、じゃあグリグリしたら柔らかくなるかな」
 彼女は無邪気に、そして残酷なまでに無知なまま、シコシコと上下に手を動かし始めた。
 カリの部分を親指で執拗に擦り、竿を強く握りしめて扱く。
「っ、ふ……! お、おい、なんか……変だ……!」
「えー? まだ硬いよ? もっと早くした方がいい?」
 美緒は速度を上げる。クチュ、クチュ、と先走り汁が手とペニスの間の潤滑油となり、卑猥な水音を立て始めた。
 教室の他の生徒たちは、それぞれが雑談をしたり本を読んだりしており、二人の行為には全く関心を示さない。たとえ目に入ったとしても、「相田が体調不良でマッサージしてもらっている」程度の認識しかないのだ。

「あ、これ、なんか出てきそう……!」
「え? 膿(うみ)かなにか? 出した方がスッキリするよ、きっと」
 美緒は顔を近づけ、亀頭の先端にある尿道口を覗き込む。
「ん……っ、出る、出るッ!」
 亮太の腰が限界を超えて反り返る。
 ドピュッ! ドピュッ!
 勢いよく白濁した精液が噴き出し、美緒の顔にかかる。
「わっ! 冷たっ! ……あ、でもなんか温かい」
 美緒は驚いて目を丸くするが、嫌悪感は示さない。頬についた白い液体を指で拭い、不思議そうに眺める。
「はぁ、はぁ……あー、なんかスッキリした……」
 亮太は脱力して椅子に深くもたれかかった。
「変なのー。白いドロドロがいっぱい出たね。これベトベトする」
 美緒は指についた精液をペロッと舐めた。
「……ん、ちょっとしょっぱい」
「悪いな、汚して」
「ううん、別に。制服についたら洗えばいいし」
 美緒はティッシュを取り出し、顔と亮太のペニスを雑に拭き取った。
「あーあ、私もなんかムズムズ治らないなぁ」
 そんなことを言いながら、彼女は再び自分のスカートの中に手を突っ込み、濡れた秘部を弄り始めた。教室の窓から差し込む陽光の下、常識の壊れた空間で、無垢な子供たちの「遊び」は続いていく。