リアルタイム視聴と一時停止の背徳
あらすじ
ある女性VTuberの配信をよく見ている男性。見逃した配信を見ようと思ってアーカイブを見ると、“リアルタイム視聴”というボタンが追加されている。特にそのような新機能のお知らせはなかったが、ものは試しと思いクリックする。
すると、男性の体がVTuberが使っているアバターに変化する。VTuberが配信で背景に表示しているような画像の部屋で、動画が再生されている間アバターの体になった自分の体が勝手に動いたり喋ったりする。そして再生が終わると元の姿に戻る。
登場人物
-
俺(主人公)
ごく普通の成人男性。大人気VTuber「星見ルルカ」の熱心なリスナー。倫理観や道徳心といったストッパーが欠如しており、自分の欲望を満たすためなら手段を選ばない。謎の不具合で推しの体になれると知ると、罪悪感を抱くどころか、その体を徹底的におもちゃにしようと企む。 -
星見ルルカ(アバター)
主人公が推しているVTuber。設定は「星の国からやってきたお姫様」。
外見は、腰まで届く星空のようなグラデーションのかかった薄紫色のロングツインテールに、星型の大きな髪飾りが特徴的。瞳は吸い込まれそうなサファイアブルーで、あどけなさの残る可愛らしい顔立ちをしている。身長は153cmと小柄だが、胸は非常に大きく(Fカップ程度)、細いウエストとのアンバランスさがリスナーから熱狂的な支持を集めている。服装はフリルたっぷりの白いアイドル風ドレスで、絶対領域が見えるニーソックスを穿いている。
本文
いつものように仕事から帰宅し、PCの電源を入れる。毎日の日課である、推しのVTuber「星見ルルカ」の配信を見るためだ。しかし、今日は残業で帰りが遅くなり、リアルタイムでの配信には間に合わなかった。
「あーあ、今日の『ルルカの星空雑談』、リアタイしたかったな……」
独り言をごちりながら、マウスを操作してアーカイブの動画を開く。
その時、動画のシークバーの横に、見慣れないボタンが追加されていることに気がついた。
『リアルタイム視聴』
そんなボタン、昨日までは絶対になかったはずだ。プラットフォームのUIアップデートだろうか? 特にお知らせも見なかったが……。
「なんだこれ? アーカイブを他のリスナーとチャット付きで同時視聴できるってことか?」
好奇心から、俺は迷うことなくそのボタンをクリックした。
瞬間、視界が強烈な白い光に包まれた。
「うおっ!?」
思わず目を瞑る。次に目を開けた時、俺は自分の薄暗い四畳半の部屋ではなく、パステルカラーの可愛らしい家具が並ぶ、ファンシーで煌びやかな部屋のど真ん中に立っていた。
いや、見知らぬ部屋ではない。これはルルカが配信でいつも背景として表示している『星の国のお姫様の部屋』の3Dモデル空間だ。
「え……? なんだここ……」
声を出して、さらに驚愕した。自分の口から出たのは、低い男の声ではなく、鈴を転がすような高く可愛らしい、聞き慣れた女の子の声だったのだから。
慌てて自分の体を見下ろす。フリルがふんだんにあしらわれた真っ白なドレス。華奢な腕、ふんわりとしたスカート。そして、その胸元には、自己主張の激しい大きな二つの膨らみがあった。
ふわりと揺れる薄紫色のツインテールが視界の端に入る。
「こ、これ……星見ルルカの体……!?」
俺は、VTuberの3Dアバターそのものになっていた。いや、アバターというよりも、完璧な肉体を持った現実の存在としてそこにあった。
しかし、驚きを消化する暇もなかった。
『こんルル〜! 星の国からやってきたお姫様、星見ルルカだよ〜!』
突然、俺の意志とは無関係に口が勝手に開き、いつものルルカの挨拶を元気いっぱいに放ったのだ。
さらに、手は勝手に顔の横でピースサインを作り、体がニコニコと愛想を振りまくように左右に揺れる。
(なっ、なんだこれ!? 体が勝手に動く……!)
パニックになる頭とは裏腹に、体は完全に「星見ルルカ」として振る舞い続ける。
そう、これはさっきまでPCの画面で見ていたアーカイブ動画の冒頭部分そっくりそのままだった。
冷静に状況を分析する。俺は気づいた。『リアルタイム視聴』とは、動画をただ見る機能ではない。配信が行われていた当時の「VTuberの体そのものに入り込み、その一挙手一投足を、仮想空間の内側から一人称視点で完全に体験する」というとんでもない機能なのだと。
約一時間。俺はただ内側から、ルルカが雑談し、笑い、リスナーのコメントを拾い上げるのを体験し続けた。
彼女の喉が震えて声を出す感覚、服が柔らかい肌に擦れる感触、まばたきをするたびに長い睫毛が揺れる視界、そのすべてが圧倒的な現実感(リアリティ)を伴っていた。だが、指先一つ、自分の意志で動かすことはできなかった。まるで、完璧なVRコースターに縛り付けられているような錯覚。
『それじゃあ、今日はおつルル〜! また明日ね!』
配信終了の挨拶と共に、視界が急速に暗転する。
ハッと息を呑んで目を開けると、俺は元の自室のデスクチェアに座っていた。モニターには、再生が終了し、関連動画が並んだルルカのアーカイブ画面が映っている。
「ハアッ、ハアッ……」
荒い息を吐きながら、自分の手を見る。ゴツゴツとした、見慣れた男の手だ。立ち上がって鏡を見れば、冴えない男の顔が映っている。
普通なら恐怖を感じるか、あるいはあまりにリアルな明晰夢だったと思うだろう。
しかし、俺の胸を満たしていたのは、恐怖でも困惑でもなかった。
「……すげえ。本当に、あの体になれた……」
星見ルルカ。画面の向こうの、絶対に触れることのできない手の届かない偶像。
その体に、俺は入ったのだ。その肌の異常なまでの柔らかさも、甘い香りも、体内に宿る熱も、鮮明に覚えている。
倫理的な葛藤や、推しの体を乗っ取ってしまったことに対する申し訳なさなど、俺の中には微塵も湧かなかった。
あるのは、ドス黒く濁った欲望と、一つの邪悪な思いつきだけだった。
「あの機能……あの空間で、もし動画の再生が『一時停止』されたら、どうなるんだ……?」
再生中は、動画の記録の通りに体が強制的に自動で動かされる。
ならば、動画の記録そのものの時間が止まれば? 自動操縦の縛りが解けるのではないか?
俺は卑しい笑みを浮かべ、唇を舐めた。
試さずにはいられなかった。しかし、仮想空間に行ってしまえば、現実のPCを操作して一時停止ボタンを押すことはできない。
そこで俺は、デスクトップにあった簡単なキーボードマクロツールを起動した。
『リアルタイム視聴ボタンをクリックしてから、30秒後にスペースキー(一時停止のショートカット)を一度だけ押す』
単純なスクリプトをセットする。これで、配信の冒頭の挨拶が終わった直後あたりに、自動的に動画が停止するはずだ。
「よし……行くぞ」
俺はマクロを走らせ、素早くアーカイブの『リアルタイム視聴』ボタンを再びクリックした。
眩い光に包まれ、再びあの可愛らしい部屋で、ルルカの可憐な肉体へと変化する。
『こんルル〜! 星見ルルカだよ〜!』
先ほどと同じように強制的に体が動き、元気な挨拶をする。リスナーのコメントを読もうと、ルルカ(俺)がモニターの方へ身を乗り出した、その時だった。
ピタッ。
不自然なほど唐突に、体を支配していた絶対的な「強制力」が消え去った。
マクロが発動し、現実世界のPCで動画が一時停止されたのだ。部屋の空気の流れすら止まったような静寂が訪れる。
「……あ、あー。テスト、テスト」
おずおずと声を出してみる。先ほどまで勝手に喋っていたぽってりとした桜色の唇が、今は俺の意志のままに動いている。声はルルカの可愛らしいアニメ声のままだ。
「動く……自分で、自由に動かせるぞ……ッ!」
グーパーと両手を開閉する。ふわりとチュールのスカートを揺らしてみるその場をくるりと回ってみる。
完全に自由だ。動画の時間が停止したこのバグのような空間で、アバターの体のコントロール権は、システムから完全に俺へと移行していた。
「くくっ……ははははっ! マジかよ、最高じゃねえか!」
ルルカの可憐な声で、俺は下劣な笑い声を上げた。
誰も見ていない。時間すら止まっている。
そして俺は今、数百万の登録者を抱える大人気VTuberの「中」にいる。
「たまんねぇな……こんなの、やり放題ってことだろ?」
俺は震える手を、ルルカのドレスの胸元へと這わせた。
現実の女性よりも明らかに誇張された、豊満すぎるFカップの双眸。その重みのある膨らみに、両手を這わせる。
「あっ……ううんっ」
ルルカの声帯から、艶っぽい吐息が無意識に漏れた。
布越しでもわかる、暴力的なまでの柔らかさと弾力。自分の手なのに、自分のものではない圧倒的な『女性』の肉体の感触に、俺の精神と下半身が限界まで熱くなるのを感じた。
ドレスの胸元を強引に引き下げる。フリルが破れるのも構わない乱暴な手つきで、拘束されていた真っ白な胸を空気に晒した。
「すげえ……本当に二次元みたいな色と形だ……っ!」
淡く可憐な桜色の先端が、部屋の柔らかな光を浴びてぷっくりと膨らんでいる。
俺は両手でその二つの果実を下からすくい上げるようにわし掴みにした。
「んあっ……! ひゃんっ……!」
揉みしだくたびに、ルルカの甘ったるい喘ぎ声が部屋に響き渡る。
全身の神経が、胸に集中しているかのような異常な感度だった。アバターの肉体として過剰にチューニングされているせいか、それとも女性とはこういうものなのか、ただ胸の肉を揉まれているだけで脳髄がとろけそうなほどの強烈な快感が波のように押し寄せてくる。
「っあ、自分の胸揉んでこんなに気持ちいいとか、女の体ってヤバすぎだろ……!」
俺は親指と人差し指で桜色の突起を強く摘み、ピンと引き絞っては転がすように刺激した。
「ああんっ! や、だ、そこっ、も、もっとっ……しゅごいっ……!」
倫理観の欠片もない俺は、自分自身の嬌声を聞きながら、さらなる興奮の沼へと沈んでいく。この清楚なお姫様アバターを、俺の手で徹底的に汚して、開発し尽くしてやるというドス黒い背徳感に脳を焼かれていた。
胸への刺激だけで腰が砕けそうになっているルルカの体。太ももがガクガクと震え、自立しているのもやっとの状態だ。
俺はそのまま床にへたり込むと、ドレスのスカートをまくり上げた。
見え隠れしていた絶対領域の奥、純白のショーツが露わになる。そこはすでに、溢れ出た愛液によってひたひたに濡れそぼり、うっすらと透明になっていた。
「ほら、お姫様……下の方も、すげえことになってるぞ」
自分自身に語りかけるという狂気的な状況だが、理性を飛ばすには十分すぎるスパイスだ。
ショーツをずり下げ、太ももの付け根まで降ろす。露わになった秘裂は、淡いピンク色をしており、未だ誰にも触れられたことのない純潔を証明しているかのようだった。しかし、そこからはとめどなく蜜が溢れ、太ももを伝って滴り落ちている。
俺は中指と薬指を揃え、その濡れそぼった割れ目へとゆっくりと這わせた。
「ひぐっ……! あ、あっ……!」
指先がクリトリスに触れた瞬間、背筋に電流が走ったような激しい快感が全身を貫いた。
「い、ぃっ!? なんだこれ、感度良すぎ……っ!」
男の体では決して味わえない、局所的でありながら脳波そのものを揺さぶるような爆発的な快楽。少し撫でただけで、ルルカの体は弓なりに反り返って痙攣する。
「あはっ、あはあっ! きもちいっ! もっと、もっと触ってぇっ!」
もはや男としての思考すら溶けかけ、メスとしての本能が体を支配し始める。俺は狂ったように自らの秘所を指で責め立てた。
クリトリスを擦り上げ、溢れる蜜を絡めながら、濡れた指先をゆっくりと膣口へと押し込む。
「んぐっ……! あ、はいるぅ……!」
狭く熱い肉壺が、異物の侵入を拒むようにキューッと締め付けてくる。しかし、それを押し入って第一関節、第二関節と沈めていくと、内側のひだに指が擦れるたびに、目が眩むような快感の波が押し寄せてきた。
「ふあぁあっ! 中っ、中、すごい、とろけちゃうぅっ!」
指を抜き差しするたびに、クチュ、ジュポッという卑猥な水音が部屋に響き渡る。
自分の指で自分を犯しているという事実と、ルルカという超人気VTuberの処女を今、俺が奪っているという優越感。そして極上の肉体がもたらす快楽が混ざり合い、俺を完全な絶頂へと導いていく。
「あ、いくっ! もう、いくぅううっ!」
指のピストンを限界まで加速させ、クリトリスを激しく擦り上げる。
「あはあぁぁぁああああっ!!」
ルルカの体が大きく跳ね、膣肉が指を千切らんばかりに激しく収縮するのを感じたと同時に、目の前が真っ白になるほどの強烈な絶頂が訪れた。ガクガクと全身を引き攣らせ、大量の愛液を吹き出しながら、俺は床に突っ伏して荒い息を繰り返した。
「はぁっ……はぁっ……すげえ……最高だ、これ……」
全身が脱力し、指一本動かすのも億劫なほどの気怠い快感に包まれている。
一時停止された空間の中で、俺は乱れたドレスと露わになった下半身のまま、だらしなく床に横たわっていた。
「……フフッ。アーカイブなんて、過去何年分もあるんだぜ……」
俺の邪悪な欲望は、全く満たされていなかった。
むしろ、この完璧なオモチャを手に入れたことで、底なしの沼の入り口に立ったばかりなのだ。
ルルカの初配信のアーカイブ、記念枠、ASMR配信……。
毎回の一時停止のタイミングで、この体をどんな風に辱めてやろうか。
下劣な妄想を膨らませながら、俺は次に弄るためのアーカイブを探すべく、ニタリと歪んだ笑みを浮かべた。
展開1――ASMRの夜
翌日。俺はアーカイブの一覧を端から眺め、目当てのサムネイルを見つけてニヤリと口角を吊り上げた。
『【ASMR】お姫様の耳かきASMR・添い寝ボイス』
ルルカが半年ほど前に投稿したASMR配信のアーカイブだ。当時、男性リスナーから爆発的な再生数を叩き出した伝説的な配信で、俺自身も何十回と繰り返し聴いた。
しかし今夜は、「聴く」側ではなく「する」側に回る番だ。
マクロのタイマーを二分に設定し直す。ASMRは最初の一分以上、ルルカが視聴者へのお出迎えトークを行う。その直後に一時停止させれば、理想的だ。
「じゃあ、お邪魔しますよ……『お姫様』」
ボタンをクリックし、白い光に包まれると、俺はいつもの仮想空間へと落ちた。
今回の配信セットは、普段のゲーミングチェアではなく、ふかふかの白いベッドが中央に置かれており、傍らにコンデンサーマイクとその台座が設置されている。ASMR用の特別仕様だ。ベッドの質感が現実のそれより遥かに柔らかく、ルルカの体が沈み込む感触が生々しく伝わってくる。
『こんばんルル〜。今夜はASMRだよ〜。ちゃんとイヤホンしてる?』
体が自動で動き、ルルカの甘えるような声でトークを始める。耳かき棒を手に取り、マイクに近付けてカリカリと掻く仕草。その小さなアクション一つひとつに、アバターの手指の繊細な神経が反応して、ぞわりとした刺激が走る。
(くっ……マジでASMR感がダイレクトに来るな……)
そしてちょうど二分が経過したあたり、例によってピタッと時間が止まった。
体の自由が戻ってくる。
まず俺がしたのは、ASMR用のマイク台座を素手でぐいと掴み、それを二本の足の間に引き寄せることだった。
ベッドの上に座り直し、スカートをまくり上げる。先ほどの自動行動の間にも体内では蜜が滲んでいたらしく、すでに内腿がじっとりと濡れている。
「……ちょっと失礼しますよ」
俺は独りごちて、マイクのボールヘッド――ルルカが耳かきの音を拾うために使っている球状の模擬耳部分――を、ゆっくりと股間へと押し付けた。
「ひぁっ……!」
冷たい球面の素材感が直接クリトリスに触れた瞬間、ルルカの口から鋭い声が漏れた。
マイク自体はこの空間では重量のある小道具として機能しており、持ちやすいグリップ部を両手で掴んで位置を調整できる。俺はゆっくりと丸い頭をクリトリスの上に押し当て、小刻みに転がし始めた。
「っ、あ、あっ、なんか……形が……ダイレクトすぎて……っ!」
球状の硬い表面が、ぬめった秘所をぐりぐりと刺激し、ひだを開いて押し広げる。柔らかくも凹凸のない一定の圧力が、指と違う種類の快感を掘り起こしていく。
「ふっ、あっ、ぁあ……! あ、こ、これ……ヤバい……っ!」
腰が反射的に前へ出て、マイクヘッドを自ら押し当てるように動き始める。俺は腰の動きに逆らわず、グリップを固定して秘唇で球面を擦り上げるに任せた。
クチュリ、クチュリと、濡れた割れ目がマイクボールを愛撫するたびに下品な音が部屋に広がる。ASMRの配信に使うマイクで自慰をするという倒錯した状況が、俺の背徳感を加速させた。
「ぁ……あっ……はっ、はっ、ん……ッ!」
腰の揺れが速くなる。ルルカのアクティブに反応する肉体は、おそろしく正直で、刺激を与えるたびに内腿がびくびくと痙攣し、愛液があとからあとから溢れてマイクヘッドを濡らしていく。
俺はグリップを片手に持ち替え、空いたもう一方の手をドレスの中へと差し込み、胸の尖端を摘まんだ。
「あはっ、ぁ、あんっ……! 同時っ、は……っ! き、気持ちよすぎっ……!」
上下同時の刺激に、体が壊れそうなほど震える。腰の動きはもはや俺がコントロールしているのか、体の本能が暴走しているのか分からないほど激しくなっていた。
「ぁ……い、いっちゃ、いっちゃうっ……ほん、とに……ぁああっ!」
最後は全身を弓なりに反らせ、マイクヘッドを股間に強く押し当てたまま、ルルカの体はがくがくと引き攣るように絶頂した。大量の蜜がどっと流れてマイクのシャフトを伝い、シーツに染みを作る。
「……はぁ、はぁ……マイクびしょびしょじゃねーか……」
荒い息を吐きながら、俺はその光沢を持つ道具を眺めてニヤついた。
リスナーが神聖視するあの耳かきマイクを、今の俺だけが知っている使い方で汚した。それだけで十分、次の犯行への意欲が湧いてくる。
時間停止を解除するため、現実のPCのスペースキーが押される前に俺は体に戻った。
再生が再開した瞬間、ルルカの体は何事もなかったかのように自動軌道に乗り直し、耳かきトークを続ける。ただ、シーツの微妙な乱れと、マイクヘッドのぬめりだけが、起きたことの証拠として静かに残った。
展開2――ゲーム実況の小道具
ある週末、俺は特定の配信アーカイブを選んだ。
『【初見プレイ】ホラーゲームやってみたら怖すぎて泣いた』
一年前の動画で、配信セットにはゲーム用のコントローラー、机の上に置かれた小型のぬいぐるみ、そしてルルカが「お守り」と称して飾っていたキャンドルホルダー(蝋燭は外され、内部が空洞の装飾品)が置かれている。
俺はその小道具の目録を画面越しに確認してから、静かに笑みを浮かべ、ボタンを押した。
仮想空間に降り立ったルルカの体は、プレイチェアに腰を落とし、コントローラーを握り、ゲームを始める。自動操縦の間、俺はただ体の感触を楽しみながら、空間内の道具の配置を観察した。
机の上のキャンドルホルダー。陶器製で、底部が目玉焼きの卵白のように広がった形だ。全長は十センチほど、円柱状の上部は指二本ぶんほどの太さがある。
(……あれ、使えるな)
猥雑な着想と現実側のマクロが、ほぼ同時に動いた。
ピタッ、と世界が止まる。
俺は椅子から立ち上がり、机へと手を伸ばし、そのキャンドルホルダーを手に取った。陶器の滑らかな冷たさがルルカの指先に伝わってくる。
「……これ、いけるか?」
円柱の上部を親指でゆっくり撫でる。固く、滑らか、そして十分な太さ。
「……いけるな」
俺は迷いなく椅子に戻ると、スカートをまくり上げ、椅子の座面に膝立ちの姿勢を取った。
コントローラーを机に置き、両手でホルダーの底部を掴む。そして、自らの秘所を指で広げながら、ゆっくりとその先端をあてがった。
「……ひっ……!」
陶器の冷たさが直接粘膜に触れた瞬間、体が反射的に逃げようとする。しかし俺はホルダーを掴んだまま、腰をゆっくりと落としていった。
「っ、ん……ぐっ……! た、太い……!」
指とは比較にならない圧迫感が、膣壁を押し広げながら奥へ進んでいく。陶器の滑らかな表面は摩擦が少ない分、ゆっくりと沈み込むたびに内部をなだらかに押し拡げ、違和感と快感が混ざり合ったような痺れを生んだ。
半分ほど挿入したところで、体がぶるぶると震えた。
「ぁ、は……こ、れ……め、涙が出そう……っ!」
本当に目が潤んでいる。快楽と充填感に脳が追いつかず、ルルカの繊細な神経が悲鳴に近い快感を返してくる。俺はそのまま唇を噛んで、さらにゆっくりと腰を落とした。
「ぁああ……っ! はいっ、た……全部……!」
底部の広い台座が太みもに当たる感触。滲み出た愛液がホルダーの側面を伝い、太ももへと垂れ落ちる。
俺は静かに腰を浮かせ、また落とした。
「っ……! あっ、あっ……!」
内壁が陶器の円柱を締め付けるたびに、入り口付近の繊細な部分がぐりぐりと刺激され、腰が震える。ゆっくりとした抜き差しが、思っていたより遥かに強烈な快感を生んでいた。
「ぁ……ぁっ……なんで……こんな……っ、ものに……負けて……っ!」
情けない呟きを漏らしながらも、腰の動きはどんどん速くなっていく。
椅子の上でルルカの体が小刻みに跳ねるたびに、胸がぼよんぼよんと揺れ、その振動がさらに快感を上乗せした。片方の手でドレスを抑え、もう一方の手でホルダーの底を支えながら、腰を激しく上下させる。
「あっ、あっ、あっ……っ、いく、もういくっ……!!」
絶頂は唐突で強烈だった。腰が止まり、膣肉がホルダーをきつく締め上げ、ルルカの体が前のめりに折れ曲がる。机に両手をついて、喘ぐような引き攣った呼吸を繰り返しながら、波が引くのを待った。
「……はぁ、はぁ……陶器で……イかされるとか……」
脱力した腰からホルダーをゆっくりと引き抜く。表面は愛液でびっしょりと濡れ光っていた。
俺はそれを元あった場所に戻した。見た目には何も変わらない、ただの陶器の置物。しかし俺だけが知っている。このキャンドルホルダーが今夜どんな使われ方をしたか。
「次の配信でも机の上に飾ってたよな、これ……」
俺は薄く笑って、再生再開のキーを現実側で押した。
展開4――コラボ配信の静止した夜
数週間後、俺はついに最大の企みを実行に移した。
ルルカが二ヶ月前に行ったコラボ配信のアーカイブ。相手は同じプラットフォームで活動する人気VTuber、「月代ネネ」だ。設定は「異世界から召喚された神秘の魔女」で、ルルカとは正反対の落ち着いた大人びたキャラクターとして知られている。アバターは長い黒髪を持ち、魔女帽子に黒とゴールドの礼装を纏った妖艶な外見をしていた。
コラボ配信の仮想空間には、ルルカのセットとネネのセットが横並びに再現されている。二つの3D空間が、透明な仕切りを隔てて並んでいるような構造だ。仕切りは視覚的なものにすぎず、実際には自由に行き来できる。
『ルルカと月代ネネのコラボだよ〜! ネネ姉〜!』
『こんにちは、ルルカちゃん。今日もよろしくね』
自動操縦の体が、画面の前でネネのアバターとやり取りをする。ネネのアバターも自動で動き、慣れた仕草で微笑みながら雑談を進める。
その「月代ネネのアバター」を眺めながら、俺の思考は冷静に計算をしていた。
(一時停止したら……ネネのアバターも止まる。その体も……自由に動かせるはずだ)
コラボ配信の仮想空間に「リアルタイム視聴」で入った場合、操作権はあくまでルルカの体に対してのみ得られる。しかしネネのアバターは、所詮この空間における「記録されたオブジェクト」にすぎない。一時停止で時間が止まれば、ネネもその場に固定される。
(動かせるかどうかは……試してみないと分からないが)
ピタッ。
マクロが動いた。世界が止まる。
俺はゆっくりと立ち上がり、仮想の仕切りを越えてネネのスペースへと踏み込んだ。
月代ネネのアバターは、椅子に腰かけたまま笑顔で固まっている。黒髪が肩に流れ、金の飾りボタンがついた胸元が静かに止まっていた。
「……こんにちは、ネネさん」
自分で用意した静寂に向かって、俺は静かに挨拶をした。
固まったアバターの肩に、ルルカの小さな手をそっと乗せる。接触した瞬間、ネネのアバターはそのまま反応しない。ただのオブジェクトだ。しかし、肩の質感は確かに伝わってくる。礼装の布越しに、体温すら感じるような作り込みだった。
「……動かせるか、試させてもらうぞ」
俺はネネのアバターの背後に回り込み、その両肩を掴んで位置を変えてみた。
固定されているかと思ったが、関節が動く。記録されたモーションの「ループ再生」が止まっているだけで、アバター自体はこの空間の物理法則に従う素体として存在しているらしい。
「……思った通りだ」
俺の口元に、再び歪んだ笑みが浮かんだ。
まず、ネネのアバターを椅子から立たせ、ルルカの正面に向き合うよう配置する。固まった笑顔のまま、ネネの体は俺の指示通りに動いた。俺はルルカの体でネネの体を引き寄せ、その腕をルルカの腰に回させた。まるで抱擁しているような体勢だ。
「ははっ……ネネ姉、意外と力強いな」
関節の可動域の範囲でしっかりとルルカの体を抱き込んでいるネネ。その手の感触がルルカの腰越しに伝わってくる。
ネネの長い指を一本一本、意図して動かし、ルルカのドレスの腰紐をゆっくりと解かせていく。
「んっ……」
ネネの指がドレスの布地越しにウエストを這うたびに、無意識の反応が漏れた。自分の手ではなく「他者の手」として知覚されているせいか、刺激の種類がまるで違う。指の一本一本の動き、布が擦れる角度、すべてが鮮明に伝わってくる。
ドレスの後ろのホックを外させ、前側から生地をずり落とさせる。ルルカの体が徐々に露わになっていく中、俺はネネのアバターを操り続けた。
「ゆっくりな……ゆっくりやれ、ネネ姉」
ネネの両手をルルカの胸の上に置く。大きな手のひらがたっぷりとした双丘を包み込む感触に、思わず声が出た。
「ぁっ……!」
自分の手でする時と明らかに違う。指の太さ、手のひらの温度と面積、すべてが「他人の手」として神経に届く。それが引き起こす興奮は、自慰とは全く別の次元のものだった。
「ぁ、あっ……ネネ……姉……なんで……こんな……」
半ば演技、半ば本気の独り言を呟きながら、俺はネネの両手を操作して胸を揉ませ続けた。
指の腹で乳首を転がすよう動かす。
「あんっ……! は、ぁっ……!」
ルルカの声が部屋に落ちる。配信中は決して見せない、乱れた声。それを今、ネネのアバターに引き出させているという背徳感が、俺の思考を焼いた。
「……次は下だ」
ネネの片手をルルカの太ももへと這わせる。ショーツの上から、じわじわと秘所へと近付けていく。
「ひぁっ……! あっ、ネネ、姉っ……!」
布越しに圧迫が伝わるたびに、愛液が滲み出てくる感触がある。ネネの指先がショーツの端を引いて横に寄せ、直接に触れるよう操作する。
「ぁ……っ!!」
他者の手が直接秘裂に触れたと知覚した瞬間、体中の血が沸騰したような強烈な反応が来た。自慰とは比べ物にならない刺激。第三者に触れられているという感覚が、アバターの神経を通じてダイレクトに流れ込んでくる。
「やっ……! ネネ姉っ……なんで……! あっ、あっ……!」
ネネの指をゆっくり動かし、クリトリスを上下に擦らせる。的確な動きを自分で考え、他人の指で実行させるという奇妙な体験が、余計な昂りを加速させた。
「ぁあっ……! そ、そこっ……! あっ……は、はぁっ……!」
腰が勝手に揺れ、ネネの指に擦り付けるように動く。ルルカの双眸には涙の膜が張り、唇が半開きのまま荒い呼吸を吐き続けた。
俺はネネのもう一方の手を背中に回させ、ルルカの体が逃げられないように固定させた。抱きすくめられたまま、指で秘所を責められる体勢だ。
「ぁ……ぁっ……! く、来る……! またっ……来ちゃ……ぅっ!」
俺はネネの指の速度を上げ、クリトリスを集中的に擦り続けた。
「あぁあああっ……!! いくっ……ネネ、姉と……いっちゃ……ぁあああっ!!」
ルルカの体が激しく痙攣し、ネネの腕の中で崩れ落ちそうになるのを、ネネのアバターの体に支えさせながら、俺は深い絶頂の余韻に沈んだ。
しばらくして。
俺はネネのアバターを元の椅子の位置に戻し、姿勢を固まる前の状態に近付けた。証拠を消すような、几帳面な後処理だ。
「……コラボの時は、ネネ姉も一緒に楽しめるな」
一人で部屋に跪くルルカの体で、俺は静かにそう呟いた。
現実側でスペースキーを押す。時間が再び流れ始め、ネネのアバターが笑顔で雑談を再開する。
何事もなかったかのように、コラボ配信の記録は続いていく。