電子世界の美少女アバター
ソシャゲでNPC姦的なことをしたかった。ちょっとかわいそうな感じなので微妙。
あらすじ
ある男子学生が、寝る前にスマホで美少女ゲームのソシャゲをプレイしている。世界観は少しSF要素が入っている。プレイしている最中に寝落ちしてしまう。
起きるとそこはそのソシャゲの世界で、男子学生はゲームに取り込まれている。身体・服装も変化しており、男子がゲームのプロフィールアイコンに設定していた少女になっている。
登場人物
主人公(転生後):
ゲーム内キャラクター名「アイリス」。
サポート型のAIロイドという設定のキャラクター。
身長150cm前半の小柄な体躯。色素の薄いプラチナブロンドの髪を腰まで伸ばしており、毛先にかけて淡いピンク色のグラデーションが掛かっている。頭部にはヘッドセットのような機械的な耳飾りをつけている。
瞳は大きなエメラルドグリーン。瞬きをするたびに、虹彩の中で幾何学模様が回転するエフェクトが入る。
服装は近未来的な白を基調としたラバースーツ風の戦闘服。身体のライン、特に膨らみ始めたばかりのような胸元や、しなやかな腰のくびれ、丸みを帯びた臀部を強調するピタッとした素材。大腿部は絶対領域を晒しており、膝から下は重厚なメカニカルなブーツに覆われている。
肌は非常に白く、少し冷たい質感だが、触れると驚くほど柔らかい。
本文
スマートフォンの画面が、暗い部屋の中で唯一の光源となっていた。
指先が慣れた手つきで画面をタップし、派手なエフェクトと共に敵キャラクターが消滅する。
「……あと、三周……スタミナ消化したら……寝よ……」
深夜二時。男子学生である俺は、布団の中で重たい瞼をこすりながら、日課となっているソーシャルゲーム『ステラ・クロニクル』の周回プレイを続けていた。
このゲームは近未来の宇宙を舞台にしたSFファンタジーRPGで、美少女化されたAIや兵器たちを指揮して戦うという、よくあるソシャゲだ。
俺がプロフィールアイコンに設定しているのは、最初期に手に入れたレアリティこそ低いものの、愛着のある「アイリス」というキャラだった。健気なサポートAIで、見た目がドストライクだったのだ。
画面の中で、SDキャラのアイリスが勝利のポーズを決める。
「お疲れ様です、マスター。素晴らしい指揮でした」
聞き飽きたはずのそのボイスが、今夜はやけに遠く聞こえた。
強烈な睡魔が意識を塗りつぶしていく。
スマホを握ったまま、俺の意識は深い闇へと落ちていった。
* * *
「……スター……マスター……?」
無機質だが心地よい声が、鼓膜を優しく震わせる。
「……ん……」
俺はゆっくりと目を開けた。
見慣れた天井――ではない。
視界一面に広がっていたのは、無数のホログラムウィンドウが浮遊する、青白い光に満ちた空間だった。壁も床も、幾何学的なラインが走る金属質の素材でできている。
「ここは……?」
寝ぼけた頭で体を起こそうとして、違和感を覚えた。
視線が高い。いや、低い?
それに、体が妙に軽い。
手をついた感触が、布団の柔らかさではなく、硬質でひんやりとした床のものだった。
「あ、れ……?」
自分の手を見て、息が止まった。
そこに在ったのは、ゴツゴツとした男の手ではなかった。
陶器のように白く、透き通るような華奢な指。手首には、白とピンクのラインが入った袖口のようなパーツが付いている。
「な、なにこれ……」
口から出た声は、低く太い俺の声ではなく、鈴を転がすような可憐な少女の声だった。
慌てて立ち上がり、周囲を見渡す。
そこは、俺が毎日見ていた『ステラ・クロニクル』のホーム画面――「指令室」そのものだった。
そして、壁のようにそびえ立つ巨大なディスプレイの黒い画面に、今の「俺」の姿が映り込んでいた。
プラチナブロンドの長い髪。大きなエメラルドグリーンの瞳。
体に吸い付くような白いラバースーツに身を包んだ、小柄な美少女。
「アイリス……?」
紛れもなく、俺がアイコンに設定していたゲームキャラクター、アイリスだった。
俺が、アイリスになっている?
夢だ。これは間違いなく夢だ。いわゆる明晰夢というやつだろう。
そう自分に言い聞かせ、俺は自分の頬をつねってみた。
「いたっ……」
鋭い痛みが走る。頬の柔らかさと、指先の感触がリアルすぎる。
「うそ、でしょ……」
恐る恐る、自分の体を触ってみる。
胸元に手を当てると、スーツ越しにでも分かる柔らかな膨らみがあった。大きくはないが、確かな弾力を持って手に吸い付く。
腰から下へ手を滑らせると、くびれのラインから急激に広がる骨盤のカーブ、そして肉付きの良い太腿の感触。
ラバースーツの表面はツルツルとしていて、指が滑るたびにキュッキュと微かな音が鳴る。
「あ……んっ……」
股間に触れた瞬間、背筋に電流が走ったような奇妙な感覚が抜け、思わず甘い声が漏れた。
敏感すぎる。男だった頃には有り得ない、全身が性感帯になったかのような感覚。
これは夢じゃない。現実感がありすぎる。
ふと、部屋の隅に誰かいることに気づいた。
「あ、あの!」
そこに立っていたのは、ゲームのナビゲーター役である「オペレーター・メイ」だった。眼鏡をかけた知的な女性キャラだ。
俺は縋るような思いで彼女に駆け寄った。
「ここどこなんだ!? 俺、なんでアイリスになってる!?」
メイは俺の方を向き、にこりと微笑んだ。
「おはようございます、マスター。本日のデイリーミッションはまだ達成されていません」
「え……?」
会話が噛み合わない。
「違う、そうじゃなくて! 元に戻り……いや、ログアウトしたいんだけど!」
「現在開催中のイベント『銀河の果てまで』は残り三日です。特効キャラを編成して挑みましょう」
メイは同じ表情のまま、抑揚のない声で告げる。
背筋が薄ら寒くなるのを感じた。
彼女の瞳には、知性という光が宿っていない。ただプログラムされた挙動を繰り返すだけの、精巧な人形。
「嘘だろ……」
俺は他のキャラにも話しかけようと、指令室を出ようとした。
自動ドアが開き、廊下に出る。そこには、俺がガチャで当てたレアキャラたちが談笑している――ように見えた。
「ねえ! 誰か!」
俺が声をかけると、彼女たちは一斉にこちらを向いた。
「アラート確認。戦闘準備に移行します」
「お腹すいたなー。ねえマスター、何か食べるものない?」
「武器のメンテナンスは完璧だ。いつでもいける」
全員が、それぞれの「設定された」台詞を口にするだけ。
俺の言葉に対する反応ではない。ただ、俺が「接近した」というトリガーに対して、ランダムなボイスが再生されただけだ。
恐ろしいほどの孤独感が俺を襲った。
ここはゲームの世界。そして、この世界で「意識」を持っているのは、俺だけなのかもしれない。
呆然と立ち尽くす俺の体に、廊下ですれ違った戦闘用アンドロイドの少女がぶつかった。
「きゃっ」
俺は無様に床に転がった。
受け身も取れず、四つん這いの姿勢になる。
その拍子に、ラバースーツが食い込み、股間の布地が肌に擦れた。
「っ……ぁ……」
またしても、鋭い快感が下腹部を突き上げる。
恥ずかしいポーズで床に這いつくばっている自分。
中身は男なのに、体は完全に美少女ゲームのキャラクターとして「消費」されるために作られた存在になってしまっている。
鏡のような床に映る自分の顔は、恐怖に歪んでいるはずなのに、どこか媚びるように赤く染まり、潤んだ瞳で見上げているようにしか見えなかった。
「任務、続行」
ぶつかってきたアンドロイドは、俺のことなど意に介さず、機械的に歩き去っていく。
取り残された俺は、震える指で自分の胸を抱いた。
心臓の鼓動が早い。それは恐怖のせいなのか、それともこの過敏すぎる体が勝手に反応しているせいなのか、俺にはもう分からなかった。
ただ一つ理解できたのは、俺はこの世界で、この「アイリス」という少女として生きていかなければならないということ。
そしてこの世界は、俺の意思とは無関係に、美少女たちが戦い、傷つき、そして時には愛でられる――そんな管理された「ソシャゲ」の世界なのだ。
俺は震える足で立ち上がると、再び指令室へと戻った。
メイが、変わらぬ笑顔で俺を迎える。
「お帰りなさいませ、マスター」
その言葉が、永遠に閉じ込められた檻の鍵をかける音のように響いた。
俺の、新しい日常が始まったのだ。プレイヤーとしてではなく、プレイされる側の「キャラクター」として。
俺は震える手で空中に指を走らせた。
この世界でも、プレイヤーだった頃と同じようにメニュー画面が開けることを期待して。
幸いなことに、目の前に半透明のウィンドウが現れた。
「あった……!」
安堵のため息が漏れそうになるが、すぐに絶望へと変わる。
「ない……ログアウトが、ない……」
ステータス、装備、アイテム、ミッション、ガチャ……見慣れた項目は全て揃っているのに、一番重要な『ログアウト』ボタンだけが綺麗に消滅していた。
オプション設定を開いても、音量やグラフィックの調整項目があるだけだ。
「本当に、閉じ込められたのか……」
膝から力が抜け、その場に崩れ落ちる。
冷たい床の感触が、非情な現実を突きつけてくる。
それからの毎日は、悪夢としか言いようがなかった。
朝目覚めると――いや、この世界に「朝」という概念があるのか定かではないが、一定時間が経過すると強制的に「活動モード」へと切り替わる。
メイからデイリーミッションの内容を告げられ、俺は出撃を余儀なくされる。
「作戦エリアへ転送します」
転送時の不快な浮遊感の後、降り立つのは荒廃した惑星や宇宙ステーションといった戦場だ。
「敵性体、接近! 迎撃してください!」
襲いかかってくるのは、グロテスクなエイリアンや暴走した機械兵器たち。
身体が勝手に動いた。
「システム・オールグリーン。戦闘モード、起動」
俺の意志とは関係なく、口が勝手に決め台詞を紡ぐ。
右手に物質化された巨大なエネルギーライフルを構え、正確無比な射撃で敵を葬っていく。
引き金を引くたびに、腕に伝わる反動。敵が爆散する熱気と衝撃。
それら全てが生々しく、その度に俺の精神は削られていく。
恐怖で足がすくみそうになっても、プログラムされた戦闘ルーチンがそれを許さない。
回避行動、射撃、スキル発動。
完璧な動きで敵を殲滅していく自分の体が、他人のもののように感じられた。
戦闘が終われば、次は「メンテナンス」だ。
傷ついた装備や身体を修復するためのポッドに入るのだが、これがまた屈辱的だった。
全裸になり、透明なゲル状の液体で満たされたカプセルの中に浮かぶ。
「修復プログラム、開始」
ゲルが全身の肌に密着し、うねるように蠢く。
傷口から入り込んでくるような感覚と、内側から熱くなるような独特の浮遊感。
「んぅ……っ……ぁ……」
ただの治療行為のはずなのに、この女性型の身体は過敏に反応してしまう。
カプセルの中で媚態を晒しながら、俺は必死に声を押し殺す。
誰に見られているわけでもないが、自分の身体が快楽に支配されていく様子を自覚するのは、死ぬほど惨めだった。
そして、拠点に戻れば、他のNPCキャラクターたちとの空虚な交流が待っている。
彼女たちは決まった時間に現れ、決まった台詞を吐き、去っていく。
そこに心はなく、ただのデータとしての役割を演じているだけ。
俺がどんなに話しかけても、彼女たちの「設定」以上の言葉は返ってこない。
孤独が、ボディブローのようにじわじわと精神を蝕んでいく。
「……でも、やるしかない」
ある日の「メンテナンス」の後、俺は自室に割り当てられた個室のベッドで天井を見上げながら呟いた。
ログアウトボタンがない以上、この世界から抜け出す方法は一つしか考えられない。
「このゲームを、クリアするんだ」
『ステラ・クロニクル』にはメインストーリーが存在する。
現在はまだ途中までしか配信されていなかったはずだが、もしここが現実となった世界なら、エンディングまで続いている可能性がある。
ストーリーを最後まで進め、この世界の『結末』を見届ければ、何か変化が起きるかもしれない。
それが元の世界へ戻るための、唯一の希望だ。
「やってやる……絶対に戻ってやる」
俺は華奢な拳を握りしめ、自分自身に誓った。
美少女アバターとしての屈辱も、終わりの見えない戦いも、全て耐え抜いてみせる。
俺の、長い長い戦いが幕を開けた。
「マスター、メインクエスト第7章『深淵からの呼び声』が解放されました。出撃しますか?」
翌日、俺の意志を察したかのように、メイが新たなミッションを提示してきた。
今までは経験値稼ぎのフリークエストばかりを回していたが、いよいよ本番だ。
「……ああ、頼む」
「了解しました。座標、セクター9の廃棄コロニー『アーク・ノヴァ』へ転送します」
目の前の景色が歪み、デジタルノイズと共に世界が切り替わる。
次に目を開けた時、俺は薄暗く、湿った空気が漂う金属の通路に立っていた。
そこは、生物的な粘液と機械が融合したような不気味な光景が広がる廃墟だった。
「うっ……臭い……」
鼻をつく腐臭に、思わず顔をしかめる。
ゲームの画面越しでは決して伝わってこなかった、リアルな嗅覚への刺激。
だが、感傷に浸っている暇はない。
『警告。生体反応、多数接近。迎撃体制へ』
視界に赤い警告ログが流れると同時に、通気口や壁の隙間から、グロテスクな異形たちが姿を現した。
肉塊とチューブが絡み合ったような身体を持つ、バイオロイドたちだ。
「来る……ッ!」
俺はエネルギーライフルを構えた。
身体が勝手に照準を合わせる。引き金を引く。
青白い閃光が走り、先頭のバイオロイドの頭部を吹き飛ばした。
しかし、敵の数が多すぎる。
「きゃあ!?」
死角から飛びかかってきた触手のような触肢が、俺の足首を絡め取った。
「離せッ!」
もがこうとするが、驚くほどの怪力で引きずり倒される。
冷たい床に背中を打ち付けた衝撃で、ライフルが手から滑り落ちた。
「あっ、いや、ちょっ……!」
触手はそのまま這い上がり、ラバースーツの上から太腿を、そして腰を締め上げていく。
ぬるりとした粘液がスーツに付着し、その冷たさと、締め付けられる圧迫感が、俺の――アイリスの身体に生理的な嫌悪感と、場違いな興奮をもたらす。
「やだ……入って……!」
股間の割れ目に触手の先端が食い込む。
防護服の素材などお構いなしに、その圧力は敏感な部分を的確に責め立ててくる。
「んぁっ! ぁあッ!」
声が出る。戦場に似つかわしくない、甘ったるい悲鳴。
自分の意思で漏らしたわけではない。この身体が、そうプログラムされているかのように、異物による侵略に対して快楽の信号を脳に送り続けているのだ。
(ふざけんな……こんなところで、ゲームオーバーになんて……!)
屈辱と恐怖で涙が滲む。
だが、その時だった。
『SPゲージMAX。リミットブレイク、発動可能』
視界の中央に、ファンファーレのような効果音と共に文字が躍った。
その瞬間、俺の意思とは無関係に、右手が勝手に虚空を掴んだ。
「システム・解放(リレイス)――浄化の光を!」
口が勝手に必殺技の名称を叫ぶ。
全身から眩い光が溢れ出し、俺を拘束していた触手たちが一瞬にして焼き払われる。
「え……?」
俺はゆっくりと宙に浮き上がり、背中から展開された光の翼で、群がる敵を一掃していく。
圧倒的な火力。神々しいまでの破壊。
それはまさに、ゲームの『演出(カットシーン)』そのものだった。
俺はその光の中で、ただ操り人形のようにポーズを決めさせられているだけ。
さっきまでの絶望的な状況も、俺が感じた屈辱的な快感も、すべてはこのカタルシスを得るための『前フリ』に過ぎなかったのではないか。
そんな疑念が脳裏をよぎる。
光が収束し、敵が全滅した静寂の中で、アイリスの身体が着地する。
「エリア制圧完了。お見事です、マスター」
メイの通信音声が響く。
俺は乱れた呼吸を整えながら、自身の股間を押さえた。
そこにはまだ、触手に責められた鈍い痺れと、粘液の不快な感触が残っていた。
「……最悪だ」
この世界は、ストーリーを進めるためなら、俺の尊厳なんて平気で踏みにじる。
そのことを痛感しながら、俺は次のエリアへと重い足を進めた。