シミュレート・エデン〜特権階級の絶対支配〜
あらすじ
何の変哲もない日常が続く世界。実際にはそれは現実ではなく、巨大なコンピュータ上のシミュレーションによる世界。
思考や認識は制御されていて、世界で問題が発生したり、世界に対して疑問を持ったりしてもすぐに修正される。
権力者や富裕層以外の人々は皆ポッドに収容され、現実世界で一度も目を覚ますことなく一生を終える。
資本家の中には、時折その世界に入り自分の好きなようにする人もいる。
(権限を持っていれば、その世界にいる人々の記憶・人格・容姿・思考の全てを変えることができる。)
登場人物
- 神宮寺 透(じんぐうじ とおる):主人公。現実世界における極一部の超富裕層の一人。「シミュレーション世界」の特定領域における強大な「管理者権限」を莫大な金で買い取った男。他者の尊厳や人生を単なるデータや娯楽としか見ておらず、倫理観や罪悪感は一切持ち合わせていない。シミュレーション内では、黒髪で整った顔立ち、180cmほどの長身を持つ20代前半の青年のアバターを使用している。服装はシックなハイブランドのスーツを着崩したようなスタイル。
- 立花 結衣(たちばな ゆい):シミュレーション世界で「普通の女子大生」として生きてきた少女。19歳。艶やかな黒髪のボブカット、大きな瞳と清楚な顔立ちが特徴。身長155cmと小柄だが、胸の発育が良く(Eカップ程度)、隠れ巨乳。透の気まぐれな標的となる。現実世界ではポッドの中で眠り続けているが、本人はその事実を全く知らない。
- 立花 咲(たちばな さき):結衣の姉。22歳。腰まであるストレートの明るい茶髪、切れ長の瞳で大人びた美貌を持つ。身長168cmのモデルのような長身と、Fカップの豊満なバスト、くびれたウエストを持つ抜群のプロポーション。結衣とマンションで同居している。
本文
真っ白なシステム空間に、神宮寺透は降り立った。
視界の空中に浮かび上がる無数のステータスウィンドウが、この「世界」を構成する膨大な生体データと環境パラメータの奔流を映し出している。
「さて、今日はどのブロックの『おもちゃ』で遊ぼうか」
透の口元に、冷酷で享楽的な笑みが浮かぶ。
ここは現実ではない。全人類の99パーセントがポッドの中で眠りについたまま、脳髄に直接流し込まれる電気信号によって「何の変哲もない日常」を夢見せられている——巨大なシミュレーション世界だ。
透のような現実世界の極一部の超特権階級、すなわち超富裕層や資本家たちは、この仮想現実における「管理者権限」を買うことができる。彼らにとって、ポッドの中で生きる数十億の人間は、自分たちの余暇を満たすための単なるNPC、あるいは実験動物でしかなかった。
透は指先で空中のホログラムパネルをフリックし、ある居住エリアのデータを検索した。
「……ん? この姉妹、なかなかデータ上の造形が良いな。仮想遺伝子のアルゴリズムが優秀だ」
目に留まったのは、「立花咲」と「立花結衣」という二十代前半と十代の姉妹だった。
両親は数年前に(データ上で)事故死したという設定になっており、現在は都内のマンションで二人暮らしをしている。姉の咲はアパレル関係の仕事(という設定)、妹の結衣は大学に通っているという、ありふれたバックボーンが書き込まれていた。
「よし。今日の娯楽は彼女たちにしよう」
透は彼女たちの居住するマンションの一室をターゲットに定め、「座標転移」のコマンドを実行した。
——ノイズが走り、景色が一瞬にして切り替わる。
「……え?」
「……きゃっ!?」
そこは、柔らかな日差しが差し込む、生活感のあるマンションのリビングルームだった。
ソファでくつろぎながらテレビを見ていた咲と結衣の姉妹が、突如として空間から実体化した透の姿を見て、悲鳴を上げて固まる。
姉の咲は、薄手のゆったりとしたルームウェアを着ており、その下からFカップの豊満な胸の谷間が覗いていた。妹の結衣はショートパンツにキャミソールという無防備な格好で、小柄ながらもEカップの質量を持つ胸が、驚きによる荒い呼吸で上下している。
「な、なに……!? あなた、どこから入って……!」
「警察、警察呼びますよ!?」
パニックに陥り、スマートフォンを取り出そうとする二人。シミュレーション世界の住人としては、当然の反応である。
しかし、透は全く慌てることなく、ポケットに手を入れたまま鼻で笑った。
「警察? 呼んでも無駄だよ。この空間の通信プロトコルはすでに僕が遮断したからね」
「な、何を言ってるの……? 誰なの、あなた!」
咲が結衣を背中で庇うようにして立ち上がる。透は歩み寄りながら、楽しげに目を細めた。
「誰でもいいだろう。君たちは僕の所有するサーバー上のデータ領域で生かされている、単なるリソースに過ぎないんだから」
透が指を鳴らすと、空中に透過するコマンドウィンドウが出現した。
それは、管理者権限を持つ透にしか見えない、世界の裏側のコンソール画面だ。
「まずは邪魔な『恐怖心』と『反抗心』のパラメータを書き換えておこうか。それと、衣服は不要だな」
透の指が空中のキーボードを弾く。
『Target: 立花咲 / 立花結衣』
『Parameter Change: “Fear” -> 0, “Hostility” -> 0』
『Entity Modification: Remove clothing』
実行キーを叩いた瞬間、世界がバグのように一瞬明滅した。
「えっ——あ……!?」
「きゃあっ! う、うそ……!」
二人の姉妹が身につけていた衣服が、デジタルノイズの粒子となって空間に溶け、跡形もなく消滅した。
瞬く間に、二人の滑らかで白い肌が、隠すものもなく完全に露出する。
咲のたわわに実った形の良いFカップの巨乳。桃色に色付いた乳輪と、ツンと上を向いた乳首。くびれたウエストから繋がる豊かな腰のライン。
結衣の、まだ未成熟さを残しながらも重量感のあるEカップの胸。白く瑞々しい肌と、手付かずの秘裂。
「な、なんで……服が……!?」
「それに……どうして……体が動か、ない……」
二人は床にへたり込んだまま、自分たちの全裸の肢体を隠そうともせず、呆然と透を見上げていた。
恐怖やパニックの感情はすでに修正されている。ただ、事態が理解できないという「混乱」だけが顔に張り付いていた。
「ふふ、見事な造形だ。ポッドの中で眠っている現実の肉体も、これと同じように育っているのだろうか? まあ、どうでもいいことだが」
透はゆっくりと結衣に近づき、彼女の顎を指先で持ち上げた。
「今日から僕が君たちの創造主であり、主人だ。あらゆる常識も、記憶も、そして快楽も、全て僕が上書きしてあげるよ」
「しゅ、じん……? っ、あ……」
結衣が戸惑うように呟く。透は結衣のピンク色の乳首を、指でつまんで強く捻り上げた。
「ひゃんっ!?」
「感じやすい体にしてあげよう。データ上の『感度』パラメータの倍率を、常人の十倍に設定する」
透は空いた手でホログラムを操作する。
『Parameter Change: “Sensory Sensitivity (Sexual)” -> 1000%』
その瞬間、結衣の体がビクンッと大きく跳ねた。
「あ、ああああっ!? な、なにこれ……っ、あひぃっ、ちくび……乳首がぁっ……!」
ただ指でつまんでこすられただけ。それだけで、結衣の脳天を突き抜けるような強烈な快感が、神経回路を焼き切らんばかりの勢いで駆け巡ったのだ。
「結衣!? やめて、結衣に何をするの……っ、ひあっ!?」
咲が抗議しようとした途端、透は咲に対しても同様のコマンドを実行し、背後から彼女のアンダーヘアに覆われた柔らかな秘所へ指を滑り込ませた。
「ああっ!? だめっ、そんな、指、入っ……あぁんっ!?」
感度を極限まで引き上げられた咲の体は、透の指がクリトリスを微かに掠めただけで、狂ったように痙攣し始めた。
「ふふ、素晴らしい反応だ。シミュレーションの神経系インターフェースは実によくできている。ここからは、たっぷりと『本番』のテストをさせてもらおうか」
透は自らの衣服もデータ上で消去し、猛々しくそそり立つペニスを露出させた。
「さあ、お姉さんからだ。この世界がどれほど無力で、僕がどれほど絶対的な存在か、その体で教えてあげるよ」
透は抵抗する気力をシステム的に削がれた咲の股を開かせ、その湿り気を帯びた秘裂へと自身のペニスを容赦なくねじ込んだ。
「ああぁぁぁぁっ!? はい、入るぅっ! おおっきいのが、私の中に……っ!?」
処女設定ではなかったものの、長らく男を知らなかったであろう咲の膣内はきつく締まっていた。透は、その抵抗を力任せに突破し、一気に最奥まで突き上げる。
「あがっ!? ひんっ、ぐあああっ! あ、あ、あああっ……!」
通常の十倍に設定された快感。それが、強烈な摩擦と圧迫を伴って咲の脳を直撃する。彼女は白目を剥きかけ、あられもないよだれを口の端から垂らした。
「すごい締まりだな。だが、もっと開発してやろう。膣内の『熱量』と『伸縮性』を最適化する。ついでに『快感の閾値』もリミッターを解除しておこう」
透が視線だけでシステムにアクセスし、咲の生体データを次々と改変していく。
咲の内壁が生き物のように脈打ち、透の男根を包み込んでとろけるような熱を帯び始めた。
「あ、あ、あ、あああああっ! おかしいっ、こんなの、おかしいからぁっ! あごぉっ、ひぃぃぃっ!」
ドチュッ! グチャッ! という生々しい水音がリビングに響き渡る。
透が腰を激しく打ち付けるたび、咲のFカップの巨乳が弾むように揺れ、彼女は獣のような喘ぎ声を上げて絶頂を連続させた。
一度のピストンで通常のオーガズムの数十倍の快楽が押し寄せる設定なのだ。咲の精神はすでに崩壊の一途を辿り、ただ快楽を受け入れるだけの肉ダルマと化しつつあった。
「お、お姉ちゃん……っ、そんな、お姉ちゃんが……っ」
目の前で、常にしっかり者だった美しい姉が、全裸で見知らぬ男に腰を振られ、涎と涙を撒き散らして発情する姿。結衣はそれを、ただ見せつけられていた。
「ほら、妹の方もただ見ているだけではつまらないだろう?」
透は咲を激しく突き上げながら、空中でコマンドを走らせた。
『Target: 立花結衣』
『Execution: Auto-Arousal max, Secretion output control』
「あっ!? ひああっ、いやっ、あ、あ、あぁぁぁっ!」
結衣の内股を、突如として大量の愛液が伝い落ち始めた。誰も触れていないのに、彼女の秘所は限界まで発情させられ、熱を持ったクリトリスがズキズキと脈打つ。
「お姉ちゃんのことを見て、発情するように『認識』も書き換えておいた。僕が姉を犯す姿を見るだけで、君は何度でもイクようになるんだよ」
「うそっ……やだ、こんな、お姉ちゃんが犯されてるのに……気持ちよくて、絶頂っ、いぐぅぅぅぅっ!?」
パンッ! パンッ! という肉がぶつかり合う音が響くたびに、結衣はビクンビクンと体を反らせ、空虚な空間で絶頂を繰り返した。
倫理も、道徳も、姉妹の絆も。すべては透の意のままであり、彼が数行のコードを実行するだけで瓦解するチープなデータだった。
透は一切の罪悪感を抱くことなく、ただ自分の支配欲と情欲をこの完璧な箱庭で満たしていく。
「あぁっ、すごい……頭が、真っ白に……っ、ご主人様、もっと、私をグチャグチャにしてください……っ」
すでに『主人に対する絶対服従』と『発情による知能低下』のパッチを当てられた咲が、透に向かって媚びるように腰を振り、膣を締め上げる。
「いい従順さだ。それじゃあ、中に出してあげるよ。もちろん『妊娠確率』はゼロに設定してあるから、無限に種付けされても安心だ」
「ああっ! ご主人様の精液、欲しいっ、膣内に出してぇっ!」
透は全力で腰を打ち付け、咲の最奥へと熱い精液を大量に放った。
ドピュッ、ドスッ、という音と共に、通常ではあり得ない量の疑似精液が咲の子宮を満たしていく。
「あぁぁぁぁぁぁっ!! 熱いっ、すごぉぉぉぉいぃっ!」
咲は体を弓なりに反らせ、この日何度目かわからない、意識が飛ぶほどの強烈な絶頂を迎えた。
白目を剥き、口から泡を吹いて痙攣する咲。その背後では、同じように強制的な同期絶頂を迎え、床に精液のような愛液の水たまりを作った結衣が、放心状態で横たわっていた。
透は咲からペニスを引き抜くと、ゆっくりと立ち上がった。
二人の姉妹は、完全に透の性処理のための肉便器として『最適化』されている。彼女たちの元々の温かな日常や思い出は、透が『削除』のコマンドを入力するだけでいつでも消し去ることができた。
「……さて、姉の方はなかなか楽しませてくれた。次は妹の方を直接組み敷いてやろうか。それとも、二人にレズビアンのロールプレイを強要して、『百合』のパラメータをいじってみるのも面白いかもしれないな」
現実世界の底辺で、ポッドの栄養液に浸かりながら夢を見ているだけの少女たち。
彼女たちに救いはなく、このシミュレーション世界における絶対神・神宮寺透からの解放など、永遠に訪れることはない。
透は再びコンソールウィンドウを開き、新たな「遊び」のスクリプトを書き始めた。
世界の真実を知る者は誰一人おらず、この箱庭はただ、特権階級の底なしの欲望を満たすための檻として、今日も稼働し続けている。
第二章:偽りの日常
翌日——とはいえ、「翌日」という概念自体、透がコマンドで自由に設定できるに過ぎない。
透はコーヒーでも飲むような気軽さで管理コンソールを開き、昨日壊した姉妹のデータを眺めた。
前日のセッション終了時、透は二人の状態を「破損済み」のままにして切断していた。咲は快楽で人格が崩壊した状態のままで、結衣は放心のまま床に倒れているはずだ。シミュレーションが自動進行している間、二人はそのまま中途半端なプログラムのように部屋の中で停止していた。
「さて、今日はどう遊ぼうか。……そうだな、大規模な記憶書き換えでもやってみようか」
透は試したことのないコマンド群をスクロールし、あるモジュールを起動した。
『Module: Deep Memory Rewrite — [EXPERIMENTAL]』
『WARNING: Complete memory replacement may cause personality drift and unexpected behavior loops. Use with caution.』
「警告なんてどうでもいい」
透は警告を一瞥して即座に閉じ、二人に対するパラメータの設計を開始した。
新しく書き込む記憶のシナリオは、こうだ——立花咲と結衣は、最初から「このマンションは神宮寺透のものであり、自分たちは彼の専属奉仕係として長年生活してきた」というもの。両親の事故死という元の設定はそのまま流用し、「親の借金のカタに透の元へ来た」という動機付けも追加する。透への恋愛感情に似た服従心と、彼を「ご主人様」と呼ぶことへの違和感のなさも一緒に書き込む。
「念入りに設計しておいたな。実行」
『Execute Deep Memory Rewrite』
『…Processing. Estimated time: 0.3 seconds.』
コンソールの進捗バーが満杯になり、完了通知が点灯する。
透は転移コマンドを叩き、マンションに出現した。
景色が切り替わる。そこには、エプロンをつけて台所に立つ咲の姿があった。
昨日まで快楽で白目を剥いていたとは思えない、穏やかで整然とした顔。彼女は振り返り、透の姿を確認すると、ふわりと微笑んだ。
「あら、ご主人様。お帰りなさいませ。今日はご飯を作っておきました」
「……ほう」
透は腕を組み、面白そうに眉を上げた。
記憶書き換えは完璧に機能していた。咲の目には一切の不信感も恐怖もなく、代わりに透を長年の主として慕う、透明な親しみが宿っている。
「結衣は?」
「妹は今、ご主人様のお部屋の掃除をしております」
咲は当たり前のように答えながら、包丁でためらいなく葉野菜を刻んでいる。
透は廊下を進み、部屋を覗いた。結衣が床にひざまずき、雑巾で丁寧にフローリングを磨いている。透の気配を感じた彼女は顔を上げ、誇らしそうな笑顔を浮かべた。
「ご主人様! 今日もちゃんと磨いてますよ。見てください、すごくきれいになりました!」
「……本当によく出来ている」
透は低く呟いた。前日まで混乱と恐怖で目を潤ませていた少女が、今は熱心に床を磨きながら主への奉仕に喜びを感じている。
完璧な家畜だった。
そのまま夕食を食べ、咲が台所を片付ける間、透は結衣をソファに呼んで膝の上に座らせていた。
「ねえ、ご主人様、今日はどんなことをしますか?」
「なんでもいいのか?」
「はい。私はご主人様の言う通りにするって決めてますから」
結衣は当然のことのように、透の胸に頭を預けた。
透は手を伸ばし、彼女のキャミソールの中に手を忍び込ませた。重量感のある乳房を掴むと、結衣は小さく吐息を漏らしただけで、抵抗の素振りもなかった。
「んっ……ご主人様、好きにしていいですよ」
「知ってるよ」
「あ……んっ、そこ……」
書き換え前の過激な感度パラメータはそのままにしてある。記憶だけを変えても、感度の数値は変わらない。そのため、透が乳首を少し弄るだけで、結衣は早々に足をもじもじとすり合わせ始めた。
「はぁっ、んっ……ご主人様の手、気持ちいい……っ」
結衣がもたれかかってくる。台所では咲が食器を洗いながら、二人のやり取りを一瞥してもまるで気にした素振りも見せなかった。それが日常だから。記憶の上では、長年の日常だから。
「お姉ちゃんも終わったら来ていい?」
「私も呼んでもらえるなら嬉しいです、ご主人様」
台所から咲の穏やかな声が響く。
完全に「最適化」された家庭環境——透はひどく満足した顔で、結衣の耳元に囁いた。
「じゃあ、咲が来たら二人まとめて相手にしてやるよ」
「やったぁ……っ、んっ」
結衣が嬉しそうに体を透に擦り付ける。
透はつまらなそうに天井を仰いだ。これはこれで悪くないが、やや刺激に欠ける。支配の快感というものは、相手が完全に壊れ切ってしまうと薄れるものだ——と、透は感じてもいた。
不意に、コンソールの隅に小さな通知が灯った。
『SYSTEM NOTICE: Minor coherence anomaly detected in [立花結衣 / Memory Cluster 0x0047]. Auto-patch applied. No action required.』
「……ん?」
透はウィンドウを開き、ログを確認した。
当該クラスターは「親との幼少期の記憶」に紐づく領域で、書き換え前の古い記憶データとの間に軽微な矛盾が生じていたらしい。自動修正が走り、すでにパッチ済みとのことだった。
エラーは0.01秒以内に処理され、結衣はすでに何も知らない。
透は通知を閉じ、ログを小さく一笑した。
一瞬だけ、データの深層で何かが軋んだのだろう。もしかしたらその0.01秒の間、結衣の意識のどこかに本当の過去が浮かんだかもしれない——両親のこと、姉との本当の記憶の断片が。だがそれが浮かぶより先に、システムがすぐ消した。何も残らなかったし、結衣に何かを感じさせる時間もなかった。
「十分だな」
透は独り言ちる。
膝の上でぼんやりと幸せそうに微笑みながら、透の手に指を絡める結衣を見下ろしながら。この少女の脳の奥底の、誰も届かない場所で、一瞬だけ別の世界が灯り、そして消えた。
そんなことは何でもない。世界はそうやって正常に保たれているのだから。
夜になり、廊下の電気が落ちた頃、透は姉妹二人をベッドルームに呼んだ。
ためらいなく部屋に入ってくる二人は、同じように穏やかな従順さを顔に貼り付けている。咲はティーローブを羽織り、結衣はパジャマのまま。
「ご主人様、今夜は……どうされますか?」
「両方だ」
透は短く告げる。
咲と結衣は顔を見合わせ、柔らかく微笑み合った。どちらも、これが正しい日常だと思い込んでいる。
二人がベッドに腰を下ろした瞬間、透は咲の腰をつかんで引き寄せ、深く口付けた。とろけるような熱い接吻を受けながら、咲の目が蕩ける。
「んっ……ご主人様……」
同時に、結衣が背後から透の首に細い腕を回し、耳元に唇を寄せた。
「ご主人様、私のことも抱いてください」
「順番通りにやる」
透は咲のローブを肩から落とし、豊満な裸体を露出させた。書き換えられた記憶の中で彼女はこれを何でもないことだと思っており、当然のように身を任せる。
ドチュッ、という水音がすぐに部屋を満たし始めた。
第三章:見えない囚人
ある夜、透は実験的なモジュールの一つを起動した。
『Module: Selective Perception Block — [EXPERIMENTAL]』
「認識阻害」と呼ばれるモジュールだ。特定の対象に対する感覚入力を遮断し、存在そのものを認識できなくさせる——透が以前から試したいと思っていた仕組みだった。
今夜ターゲットにするのは、結衣だ。
透は詳細な設定を書き込んでいく。
『Target: 立花結衣』
『Selective Block: Visual, Auditory, Tactile, Proprioceptive — Source: [神宮寺透]』
『Note: Block applies to “awareness of self body response” as well. Muscle output remains active.』
最後の一行が重要だった。
透の存在を視覚でも音でも触覚でも認識できなくする——さらに、自分の体が何らかの刺激に反応していること自体も認識できなくする。肉体は透に触れられれば当然反応するし、愛液も滲み出る。だが結衣の脳は、その事実を「受け取らない」。
体が反応しているのに、反応していることを知らない。
透はその状況が面白いと思った。
実行キーを叩く。
今夜の姉妹は、リビングでテレビを見て過ごしていた。「偽りの日常」にすっかり馴染んだ二人は、ゆったりとソファに寛ぎ、他愛ない会話を交わしている。透が部屋に転移してきても、咲はすぐに顔を上げて「おかえりなさいませ」と言った。
だが結衣は——何も言わなかった。
いや、透の方を一切見ていない。テレビを見たまま、笑っていた。
「……お姉ちゃん、また笑うとこ逃した。何?今のギャグ、面白かった?」
「え、そうでもなかったけど……」
咲は透と結衣を見比べ、一瞬なにか反応しようとして、しかし透が「気にするな」とだけ告げると、従順にそのまま黙った。
透は結衣の隣に、何も言わずに腰を下ろした。
結衣は何も言わない。テレビを見たまま、足をぶらぶらさせている。
透は結衣の髪を指でそっと触れた。
結衣は動かなかった。
撫でるように頭に触れても、結衣はテレビの画面に集中したままで、ピクリとも反応しない——正確には、反応しているのに、していないと「思っている」。
「ねえお姉ちゃん、次の番組、何?」
「えーと……ドラマじゃないかな」
透は結衣の肩に腕を回した。
結衣はそのまま笑いながら、咲の返事に「やったー」と言った。透の腕が自分の肩の上にあることに、完全に無頓着だ。感じているのに、感じているとわからない。
「……面白い」
透は低く呟いた。
次に、指をゆっくりと結衣のキャミソールの肩紐を下に滑らせた。
結衣は動かない。番組のCMになったので、テレビのリモコンを手にしてチャンネルを変え始めた。
胸元が露わになっても、気づかない。
「お姉ちゃん、お茶飲む?」
「あ、飲む。ありがとう」
咲が立ち上がり台所へ向かう。その間に透は結衣のキャミソールを完全に押し下げ、丸みを帯びたEカップの乳房を剥き出しにした。
それでも結衣は何も感じていない——いや、正確には、乳首が外気に晒されて固くなる感覚はある、はずだ。だが、その感覚が脳に「届いていない」のだ。彼女の意識の中では、今この瞬間、上半身は何も異変のない正常な状態だ。リモコンを持ち、普通の顔をして、返ってきた咲からお茶を受け取り、一口すすった。
「ありがとー。あ、この番組面白そう」
Eカップの豊かな胸を完全に露出したまま、当たり前のようにテレビを眺めている少女。
咲は目を細めてその光景を見、しかし命じられた通り何も言わず、自分もソファに戻りお茶を飲んだ。
透は結衣の乳房に手を当て、ゆっくりと揉み始めた。
「んっ……」
結衣の口から、小さな声が漏れた。
彼女はきょとんとした顔で、咲を見た。
「……ねえ、なんかCMのBGMって変じゃない? なんか体がむずむずする気がして」
「え……そう? そんなに変かな」
「なんか……お腹の辺りが、変な感じがする。お腹すいたのかな」
自分の乳首を掌で捏ねられているのに、「お腹がむずむずする」という解釈しかできない。感覚は確かに体に届いているが、それが何に由来する感覚なのかを、脳が正しく把握できない。情報は入力されているが、意味付けができていない。
透は掌に力を込めた。
「っ……なんか、急に暑い気がする。お姉ちゃん、クーラー強め?」
「んー……言われてみれば少し暑いかも」
咲が立ち上がり、エアコンのリモコンを取りに行く。
透はその間に、結衣の股の間に手を滑り込ませた。ショートパンツの上から秘所を押すと、ゆっくりとした手触りの変化を透の指が感じ取る——じわりとした熱と湿気。
体は正直に、確かに反応していた。
「……んんっ、あれ、なんかぞわぞわする。なんだろう。寒気?」
結衣は首を傾げて、腕をさすった。
「風邪かな。咲お姉ちゃん、私ちょっと体調悪いかも」
「あら、大丈夫?」
台所から咲が心配そうな声を出す。
透は指を動かした。ショートパンツの布越しに、秘所を集中的に刺激する。
「んぁっ! ……あれ、今なんか変な感じがした。なんだろ」
「どこが痛い?」
「痛くないんだけど……なんか、下の方がぞわぞわって……お腹の下? なんか気持ち悪い感じがする。吐き気ではないんだけど……」
「気持ち悪い感じ……胃腸かな、それ。昨日の食事何か変なもの食べた?」
「ぜんぜん心当たりない……でもなんか変で……」
結衣は困り顔でお腹の下の辺りを手でさすった。
その直後、透が力を込めてクリトリスを捉えた。
「んっ! ふぁっ……!? なんか……ちょっと待って、今すごい変な感じがした、なんかぞくってした」
「熱あるんじゃないの」
「……測ってみる」
無頓着に立ち上がろうとする結衣。
彼女の股間のショートパンツには、うっすらと滲みが広がり始めていたが、そのことに彼女は全く気づいていなかった。
透は腕を離し、立ち上がった結衣が体温計を取りに歩いていく姿を眺めた。
上半身は裸のままだ。だが彼女はそれを知らないので、普通の歩き方で廊下に消えていく。
「……これはなかなか趣味が悪い」
透は面白げに唇を歪めた。
数分後、体温計を咥えながら戻ってきた結衣が、何の気なしに咲に「36度8分、普通だった」と報告しているその耳元に、透はゆっくりと口を近づけた。
何も聞こえない。透の声も、結衣には届かない。
だが透は構わず囁いた。
「君の体は正直だな、結衣。君だけが知らないだけで」
結衣はてっきり咲が言ったのだろうと思い、「え、何?」と咲の方を向いた。
「私、何も言ってないけど……?」
「あれ……なんか聞こえた気がしたんだけど」
結衣は首を傾げ、またテレビの方を向いた。
透はそのまま長い夜を、静かな観察と気まぐれな悪戯に費やした。
認識の届かない籠の中で、結衣の体だけが正直に反応し続ける夜だった。